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ユネスコ世界ジオパーク現地審査

10月6日~9日にユネスコ世界ジオパーク認定にむけた現地審査を受けました!

白山手取川ジオパークは2011年に日本ジオパークとして認定されて、10年以上、ユネスコ世界ジオパーク認定を目指した活動をしてきています。

日本ジオパークがユネスコ世界ジオパークに認定されるまでの流れとして、まず「日本ジオパーク委員会」による国内推薦を得る必要があります。そして国内推薦を得られると、ユネスコへ申請することができ、現地審査を経た審議の後、認定に関してユネスコ執行委員会による承認を受けるとユネスコ世界ジオパークとなります。白山手取川ジオパークは、2013年に国内推薦を得る為の審査を受けた結果、準備不足と判断され見送りとなりました。指摘事項をふまえて準備を整え2015年にも再度挑戦しましたが結果は同じ見送りとなり悔しい思いをしています。

その後、10年以上活動を続けながら課題に取り組み、その成果が認められ、ようやく国内推薦をゲットして、2020年にユネスコへ申請しました。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、外国からの訪問者が日本に来られなかったため審査員も入国しにくい状況となり、日本でユネスコ世界ジオパークの現地審査が約2年間行われませんでしたが、2022年に入国制限が変わることで、この10月に審査員を受け入れ、現地審査が行われました。

10月6日から9日まで行われた現地審査には、ノルウェーにあるGea Norvegica(ジア・ノルジェジカ)ユネスコ世界ジオパークの上級審査員「ランネス・クリスティン氏」とマレーシアにあるLangkawai (ランカウイ) ユネスコ世界ジオパークの審査員「アブドゥハミッド・ラサヌバリ氏」をお迎えしました。

1日目
二人の審査員は10月5日の夜に白山手取川ジオパークに到着し、ついに6日から現地審査1日目が始まりました!最初に金沢工業大学白山麓キャンパスで会議を行い、白山手取川ジオパークの紹介や、金沢工業大学の学生・卒業生のジオパーク×SDGsに関する取り組み紹介を聞いてもらいました。その後は白嶺小学校で小学校3・4年生の檜細工体験の授業に参加して、檜細工作りを体験しました。午後にはエリア内で最も国際的な価値がある桑島化石壁と産出化石の展示がある白山恐竜パーク白峰を訪問しました。微化石等を専門としている二人の審査員は、桑島化石壁の様子や発掘された化石を見て興味津々で、とても喜んでいました。

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左・上:檜細工体験後に白嶺小学校の児童と記念撮影
右・下:桑島化石壁を視察中

2日目
次の日は朝少し早めに出発して、防災を意識しながら、百万貫の岩や市ノ瀬ビジターセンターに行き、それから白山周辺の標高の高いところで工事が行われている白山砂防の現場を見学しました。雨模様で非常に寒かったのですが、審査員の二人は真剣に説明を聞いていました。午後には白山ろく民俗資料館で地域の伝統文化などについて紹介してから、白峰集落で白山手取川ジオパークと連携活動を進めているいくつかの大学や、白山ユネスコエコパークとの連携について発表を聞いてもらいました。最後には比咩の湯で温かい温泉を楽しみました。

3日目
8日は手取川に沿って下流にバスを走らせ、手取峡谷や綿ヶ滝を見ました。その後はゴンドラで獅子吼高原に上がって手取川扇状地を見下ろしながら、日頃ジオパーク遠足等でご活躍されているジオパーク学習支援員による素晴らしい発表を聞きました。午後は横町うらら館で鶴来高校の生徒から鶴来の文化についての発表を聞いてから、ほうらい祭りを見学しました。その後、鶴来支所へ移動し白山市観光連盟との連携について聞いてから、吉田酒造店へ行き、酒蔵見学をしながら、SDGsの考え方に沿った酒造りへの取り組みや白山手取川ジオパークとの連携活動を聞きました。

4日目
最終日は美川の荒与でフグの子の工場見学をしました。審査員はフグの糠漬けを見て、怪しい顔をし、食べるのを渋っていましたが、最後には試食していました。その後、美川を少し巡り、石川ルーツ交流館でジオパークの展示を確認してから、市役所に戻り最終会議を行いました。

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左・上:吉田酒造店にてお話を聞く審査員
右・下:最終会議後の審査員との集合写真

非常に大変で忙しい4日間でしたが、白山手取川ジオパーク公認観光ガイドや学習支援員、構成団体、連携協定団体、学術会議の委員などの関係者をはじめ、市民の皆様など応援してくださる多くの方々の協力のおかげで無事に終わることができました。現地審査を迎えるまでの苦労は多くはありましたが、知識が深い二人の審査員によるコメントから沢山学ぶことができ、これからのジオパーク運営のための良いアドバイスをたくさんいただきました。

審査の結果はまだわかりませんが、事務局としては、今回の現地審査は大きな成功だと考えています。多くの学びが得られたことをはじめ、白山手取川ジオパークの魅力を再発見する機会にもなったからです。2023年春に公開される認定の可否について、結果を楽しみにしています。