Connect HAKUSAN
白山手取川ジオパーク推進協議会株式会社吉田酒造店共同推進プロジェクト

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イベントレポート

クマと私たちのこれからを考えるツアーを開催しました

4月12日(日)、Connect HAKUSAN主催で「クマと私たちのこれからを考えるツアー」を開催しました!当日は、お子さまから大人まで総勢20名の方々にご参加いただき、白山もはっきり見渡せる晴天の下、バスで市内から約1時間の旅へ。 「クマ、見れるかな〜」とワクワクしながら、最初の目的地・ブナオ山観察舎を目指しました。

道中のバスの中では、白山手取川ジオパーク推進協議会の専門員の方から「白山市全域をエリアとする白山手取川ユネスコ世界ジオパークは、海と扇状地のエリア、川と峡谷のエリア、山と雪のエリアに分けられ、エリアごとに景色が違います。ほら、両側に山が迫って来てますよね」とお話を伺いながら、どんどん町から自然の中へと入り込んでいく感覚を実感。
どんな一日になるのだろうと、期待がどんどん高まります。

山と雪のエリアの上流部に入って谷が深く険しくなってきたところでバスを降り、10分ほど道路や山道を歩いてブナオ山観察舎に到着。峡谷のほとりに建つ施設で、川をはさんだ向かいにあるブナオ山周辺の急斜面を生息地とする動物たちを観察できます。

クマをはじめ、カモシカ、サル、イノシシ、シカ、イヌワシ、クマタカ…といった動物たちが、日によってさまざまに姿を見せてくれるそうです。
建物に入るなり施設の方から「ちょうどクマが見えますよ!」の声が。みなさんさっそく双眼鏡を手に、野生のクマの観察スタート。コツを教えてもらい慣れてくると、肉眼でも斜面を動く黒い影が見えてきます。

「一頭…あっ、あちらにももう一頭!」

あちこちから歓声が上がっていました。

ひと段落した後は、白山自然保護センターの職員の方からお話を伺いました。
石川県には現在約1,200頭のクマが生息していること。冬眠中に出産し、子どもを連れて1年を過ごし、もうひと冬をともに越えてから翌年の夏に親子が別れること。ドングリやアザミの葉、ブナの花芽や実が好物で、食べ始めたら同じものを満腹になるまで食べ続けること。九州のクマはすでに絶滅し、今は本州・四国以北でしか見られないこと。石川県内でも近年、能登エリアにまで生息域が広がっていること––地球温暖化とも関連が考えられる変化を感じるような現状まで、みんなで学びました。

なかでも参加者の皆さまにとって大きな気づきとなったのが、次のようなお話です。

「昔は山の中にも集落があり、集落周辺の山では炭をつくるために森を手入れしていた。そのさらに奥がクマの生息地となることで、人とクマの住み分けができていた」

「近年、人の生活エリアが町に集中し山に住む人が少なくなり、炭も使われなくなって森が放置されるようになった結果、その中間エリアがなくなり、クマのえさ場となる範囲が広がって人里に近づくようになった」

地球温暖化がえさとなる植生に変化を与えているだけでなく、人々のくらしの変化がクマの生態に大きく深く影響を与えていたのだと、実感する時間となりました。

ブナオ山観察舎を後にしてバスが向かったのは、岩間山荘さん。猟師のご家族(だんなさんと息子さんが猟師)が経営される民宿です。

この日いただいたのは…

○いのししチャーシューのサラダ
○ニホンジカのかつ
○ニホンジカのシチュー
○くま鍋
○わらびとみょうがの酢の物
○サツマイモ甘煮

ジビエはもちろん、野菜も100%地元産の食材で作られたご膳!女将さんのお話を伺いながら、山からのおすそわけをありがたくいただきました。

いのししチャーシューのサラダ

二ホンジカのかつ

ニホンジカのシチュー

わらびとみょうがの酢の物

くま鍋

お肉はどれもくさみがなく柔らかで食べやすく、お子さまたちからも「おいしい!」という声が飛び交っていました。
女将さんに「一頭仕留めたら、どうやって食べ切るのですか?」とお聞きしたところ、撃ち取った人だけでなく、一緒に猟へ行った人、猟の準備をした人、関わった人全員で均等に分け合う習わしがあるとのこと。「だから”山分け”って言うんですよ」という言葉に、みなさん深くうなずいていました。
ほかにも「山のものを身体に入れたら、かわりに何かを山に返すと思って生活している」「けものとの関係性を崩さないことを大切にしている」というお話も印象的でした。
そして参加者の皆さまへのお願いとして、「人が山に無いものを捨てて、それを食べたけものが味を覚えて里に下りてくる。山に入る時には、持って行ったものを全部持って帰ってほしい」という女将さんの言葉に、みなさんしっかりとうなずきながら聞き入っていました。

お腹いっぱいになって出発地点に戻ってきたら、ちょうどよい感じの昼下がり。「知って、見て、食べて、学ぶ」——白山の自然のありがたさを全身で感じる、とても充実した一日となりました。
改めまして、ご参加いただいた皆さま、ブナオ山観察舎の皆さま、岩間山荘の皆さま、そして当日の運営を支えてくださったスタッフの皆さまに心より感謝申し上げます。
地球上のさまざまな生き物のくらしは、長い時間をかけて成り立ち、絶妙なバランスで保たれてきた——。地球規模でも地域規模でも、そのバランスを崩してしまったことが、地球温暖化や獣害といった現象として現れているのだと深く実感するとともに、「では今から、私たちは自然に対してどんな行動ができるのだろう?」と考えるきっかけとなりました。

Connect HAKUSANでは、これからも地域の自然や文化を未来につなげるためのさまざまな取り組みを行ってまいります。今後のイベントにもぜひご注目くださいね!