備える
いまから「備える・知っておく」ことで
災害による被害をおさえよう!
経験から学ぶ
いつ起こるかわからない災害
「車で逃げようとしたが、いつも通っている道が渋滞していて、すぐに逃げられなかった」
「あわてて裏山に逃げたが、とても寒くて凍えながら一晩を過ごした」
「避難所が停電していて、暖房やトイレが使えなくて困った」
「地震の揺れで本棚が倒れてきてケガをした」
「近くの公民館に避難したが、お湯がなくて赤ちゃんのミルクが作れなかった」
これらは令和6年能登半島地震を経験した人たちの実際の声です。
災害は時間、場所、季節を選ばず突然起こります。冬かもしれないし、寝ている時かもしれません。
災害を経験した方の声からの教訓
上で紹介した震災を経験した方々の声からは、さまざまな教訓を得ることができます。
【行きたい場所に行けない】
いつもはすぐ通れる道でも、多くの人が同じ方向へ避難しようとすると、渋滞で車が進めなくなることがあります。また、土砂災害などによって道路が通れなくなることもあります。
【きびしい寒さ】
冬の災害では、避難場所がすぐに見つからず、寒さが命に関わる危険になることもあります。
【ライフラインが止まる】
電気が止まると、暖房・明かり・スマートフォンなど生活の基盤が一気に使えなくなります。
また、水道や下水道が使用できなくなることもあります。
【家の中の危険】
地震の揺れで家具が倒れてきて、けがをしたり、ドアがふさがれて逃げられなくなることがあります。また、家自体が揺れに耐えられずにつぶれてしまうこともあります。家の中が一番危ない場所になる可能性もあるのです。
【子育て世帯のピンチ】
水やお湯が使えない状況が続くと、小さな子どものいる家庭ほど、食事や衛生面で困ることが多くなります。
これらの教訓は単なる「怖い話」で終わらせず、「準備があれば、防げた苦労や守れた命がある」という知恵として受け取ることが大切です。
災害はいつ、どこで起きるか分かりません。だからこそ、「色々な時と場所を想像して、事前に災害に備えておくこと」がとても大切です。
もっとくわしく
石川県作成の「令和6年能登半島地震アーカイブ」サイトでは、令和6年能登半島地震で被災された人たちや、避難所を支えた人たち、行政の人たちなどの声を集めた記録が公開されています。実際にどのような体験をし、そこからどんな気づきを得たのかを知ることができます。
【外部リンク】体験を語る:能登半島地震アーカイブ 震災の記憶・復興の記録:石川県
次の「災害への備え」項目では、これらの教訓を「安心」に変えるために、災害に対して具体的にどんな備えができるのかを学んでいきましょう。
災害への備え
事前に備える・知っておく!
災害そのものは防ぐことはできません。しかし、事前の備えや知識があれば、被害を小さくし、自分や家族の身を守ることができます。
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防災バッグとその中身の例
災害が起きると、道路が通れなくなったりお店が開かなかったりして、食べ物や生活に必要なものがしばらく手に入らなくなることがあります。そこで準備しておきたいのが「防災バッグ」です。
防災バッグとは、避難するときに必要な最低限のものをまとめて持ち運べるようにしたリュックサックなどのことです。
水や非常食(最低3日分。もし道がふさがって、助けが来るまで時間がかかりそうな場所に住んでいるなら1週間分)、モバイルバッテリー、救急グッズ、常備薬など、避難先で必要になるものを入れたリュックサックを、すぐに持ち出せるように玄関や寝室など分かりやすい場所に置いておきます。
家族の人数に合わせて、1人につき1つずつ用意しておくと安心です。
【外部リンク】非常時の持ち出し品・備蓄品チェックリスト|東京都支部の最新トピックス|日本赤十字社 東京都支部 防災バッグの中に入れるもの(中学生以上向け)
大きな地震が起こると、タンスや本棚が倒れてケガをしたり、出口がふさがって逃げられなくなったりすることがあります。令和6年能登半島地震でも、実際に多くの人が困りました。ケガをしたり、逃げられなくなったりしないために対策をしておきましょう。

(イラスト提供 いぢちひろゆき氏)
・タンス、食器棚や本棚を専用の器具で固定する
・冷蔵庫やテレビも倒れないように固定する
・寝る場所の周りに落ちてくるものを置かない
【外部リンク】自宅の家具転対策 | 東京消防庁 家具転倒対策の進め方と具体的な対策(中学生以上向け)
【外部リンク】自宅での家具類の転倒・落下・移動防止対策|東京都防災ホームページ 家具転倒の具体的な対策(中学生以上向け)
令和6年能登半島地震では、家屋の倒壊と火災で多くの被害がありました。これらの被害に対してもできる備えがあります。
耐震診断と耐震補強(家屋倒壊への備え)

耐震診断(イラスト提供 いぢちひろゆき氏)

耐震補強(イラスト提供 いぢちひろゆき氏)
地震の大きな揺れで家が壊れないようにするには、まず自分の家がどのくらい地震に耐えられるかを知ることが大切です。家を建てる時の耐震基準(地震に耐えられる建物の決まり)は、時代とともに厳しくなってきました。昔の耐震基準で建てられた古い家は、現在の耐震基準に比べると揺れに弱い場合があります。
家が古い場合は、家がどの程度の地震に耐えられるのかを調べる「耐震診断」を専門家に依頼して、もしも「地震に弱い」と分かった場合は、壁を強くするなどの「耐震補強」をすることで、地震が起きても壊れにくい家に変えることができます。
【外部リンク】【国土交通省】住まいの耐震化 家族を思う、強い家 ~大地震に備える耐震改修~ 家屋の耐震化についての総合サイト(中学生以上向け)
感震ブレーカーの設置(火災への備え)
大きな地震のあとは、電気ストーブなどの転倒や、停電から電気が復旧した時の火花が原因で、火災が起きることがあります。
そこで役に立つのが「感震ブレーカー」です。これは、地震の大きな揺れをセンサーが検知すると、自動的に家の電気を遮断してくれる装置です。

慌てて避難する時、ブレーカーを落とす余裕はないかもしれません。この装置があれば、留守中であっても電気による火災を未然に防ぐことができます。現在、令和6年能登半島地震で大きな被害を受けた石川県でも、この装置をつけることを強くすすめています。
【外部リンク(動画)】「今、備えよう。大規模地震時の電気火災対策」(ダイジェスト編・字幕あり)|消防庁 感震ブレーカーの紹介動画(小学生以上向け)
災害が起きると、電話回線が混み合い、電話がつながりにくくなることがあります。そんなときに役に立つのが「災害用伝言ダイヤル」です。

(イラスト提供 いぢちひろゆき氏)
局番なしの「171」に電話をかけると30秒の伝言を録音でき、自分の電話番号を知っている家族や友人が伝言を再生できます。毎月1日、15日に体験利用ができるので、いざというときに備えて家族や友人とあらかじめ体験しておくことがおすすめです。
【あ】あなたの名前(フルネーム)
【い】いまいる場所(具体的な場所)
【た】だれかといっしょか(一緒に避難している人)
【い】いたいところ(ケガや体調について)
【よ】よこく(次の連絡はいつか、これからの予定)
【外部リンク】災害用伝言ダイヤル(171) | 災害時安否確認サービス | 災害対策 | NTT 災害用伝言ダイヤルの使い方(小学生以上向け)
また、家族と連絡が取れなくなった時のために、「もしはぐれたら、〇〇小学校にあつまる」などの集合場所を決めておきましょう。集合場所は災害が起こっても安全な場所にしておく必要があります。次の項目では、安全な避難場所の調べ方を学びましょう。
もっとくわしく
【外部リンク】災害が起きる前にできること | 首相官邸ホームページ 災害が起こる前のさまざまな備え(小学生以上向け)
地域の災害リスクについて調べる
場所によって違う「災害の危険」
日本は地震が非常に多い国です。
ここで気をつけたいのは、「学ぶ」ページで見てきたような「地震そのものの揺れ」だけでなく、揺れが引き金となって起こる「連鎖する災害」です。 例えば、令和6年能登半島地震では、強い揺れのあとに「津波」や「土砂災害」、「火災」が次々と発生しました。
また、私たちが注意すべきなのは地震だけではありません。大雨による洪水など、日本にはさまざまな自然災害があります。そして、どんな災害が起こりやすいかは、住んでいる場所(地形)によって大きく違います。
海に近い低い土地: 「津波」や「高潮」の危険がある。
川のそばや周りより低い場所: 「洪水」の危険が高い。
山や急な斜面の近く: 「土砂災害」の危険がある。
日本は地震をはじめとした自然災害が多い国で、これからも災害は繰り返し起こります。
そして、場所によって「特に注意すべき災害」が違うからこそ、自分の住む地域の特性を正しく知る必要があります。そのための心強い道具が「ハザードマップ」です。
ハザードマップってなに?
自分の家や学校のまわりには、どんな自然災害の危険があるのでしょうか?これを知るために役立つのがハザードマップです。

石川県白山市の水害ハザードマップ
ハザードマップとは、洪水、津波、土砂災害などの危険がある場所や、避難場所を地図にまとめたものです。各市町村が作成しており、インターネットで見ることができます。 マップは災害の種類ごとに色分けされていて、どこがどれくらい危ないのかを一目で確認できるようになっています。
【外部リンク(動画)】さまざまな種類のハザードマップ|国土交通省 ハザードマップの紹介動画(小学生以上向け)
【ここがポイント!】ハザードマップではわからない危険
ハザードマップが教えてくれるのは、主に「地面(地形)」の危険です。「家が古いかどうか」「家具が固定されているか」といった家の中の危険や、地震による火災の危険はハザードマップにのっていないので、マップの外側にある危険も想像してみることが大切です。
ハザードマップはどこで見られるの?
全国どこのハザードマップでも探せる「ハザードマップポータルサイト」が便利です。
【外部リンク】ハザードマップポータルサイト|国土交通省
このサイトには、大きく分けて2つの便利な機能があります。
重ねるハザードマップ(情報を組み合わせて見る)
地図上で場所を選び、見たい災害(洪水や土砂災害など)を選ぶと、その危険がある場所に色がついて表示されます。 最大の特徴は、複数の情報を「重ねて」表示できることです。
例えば「洪水」と「土砂災害」を同時に表示させたり、さらに「避難場所」や「通行止めになりやすい道路」の情報を重ねたりして、より詳しい状況を確認できます。
わがまちハザードマップ(地域の詳しい情報を探す)
各市町村が作った公式なハザードマップへのリンク集です。
市役所のホームページから探すこともできますが、このサイトなら地図から地域を選ぶだけで、各自治体の詳しい防災ページへすぐにアクセスできます。より地域に密着した、詳しい避難情報や災害の危険などが確認できます。
ハザードマップの使い方
ここでは、「重ねるハザードマップ」を例に、具体的な使い方を紹介します。
自分の住んでいる地域を探し、マップの中で自分の家(災害の危険を調べたい場所)の場所を探します。

(「ハザードマップポータルサイト」を加工して作成)
複数の災害(例:土砂災害、津波、洪水など)を確認してみましょう。地図に色がついている場所やその近くは、災害の危険があるエリアです。自分の家や通学路に、どんな災害の危険があるのかをまず把握しましょう。

災害の危険を確認:この地図では、家のある所は洪水の危険があることがわかりました(「ハザードマップポータルサイト」を加工して作成)
【ここがポイント!】 予想をこえる災害の危険
災害は、いつもハザードマップの予想通りに起きるとは限りません。予想よりずっと大きな被害が出ることもあります。「色のついた場所のすぐとなり」や「高さが同じくらいの場所」も被害が出る可能性があるので、少し広めの範囲を「危険な場所」だと考えておくことが大切です。
マップには、災害が起こった時の避難場所(指定緊急避難場所・指定避難所)が載っています。家から近い避難場所をいくつか見つけ、そこまでどうやって行くか「避難ルート」を考えておきましょう。

洪水を想定した避難ルートの一例(「ハザードマップポータルサイト」を加工して作成)
災害の種類で避難先が変わる?
災害の種類によって、安全な場所が違うことがあります。災害の種類に合わせて、どこに逃げるべきかを確認しておきましょう。マップの避難場所に、どの災害に対応するかが書いてあります。
【外部リンク】大分市/ご存じですか?「指定緊急避難場所」と「指定避難所」の違い 避難場所の種類(中学生以上向け)
通れない道はないか?
洪水で水に浸かったり、がけ崩れなどで塞がったりする危険がある道は、避難する時には使えません。
【外部リンク】避難場所の確認と経路を調べる|地理院地図の使い方 – 国土地理院 地理院地図を使用した避難場所と避難ルートの調べ方(中学生以上向け)
ルートを決めたら、実際に歩いてみるのがおすすめです! ハザードマップに載っていない「倒れそうなブロック塀」や「崩れそうな古い看板」など、歩いてみないとわからない危険が見つかるはずです。本当に安全に逃げられる道かどうか、自分の目で確かめましょう。

家族で話し合う(イラスト提供 いぢちひろゆき氏)
災害はいつ起こるかわかりません。家族がバラバラの場所にいるときにおこるかもしれません。「大きな地震が来たら、ここに集まろう」といった避難場所と避難ルートは家族みんなで話し合っておきましょう。
【重ねるハザードマップを使う時の注意点】
「重ねるハザードマップ」は、いろいろな情報を組み合わせて地域の全体像をつかむのにはとても便利です。 しかし、このマップは全国の市町村のデータを集めて作られているため、データの更新タイミングによっては、自分の住む市町村が持っている「最新の情報」と少しズレがある可能性があります。
より詳しく、一番新しい情報を知りたいときは、「わがまちハザードマップ」から、各自治体が出しているハザードマップもあわせて確認するようにしましょう。 使い方は、これまで紹介した「重ねるハザードマップ」とほとんど同じです。
災害を伝える石碑

洪水を伝える災害伝承碑(石川県白山市)
町を歩いていると、このような石碑や看板を見かけることがあります。
これは自然災害伝承碑といって、過去にその場所で起こった災害の記録や教訓を、石碑や看板に刻んだものです。「ここまで洪水がきた」「ここで山崩れがあった」など、過去に起こった災害の実際の記録を読み取ることができます。
下の地図から住んでいる地域の災害伝承碑を調べることができるほか、それぞれの災害伝承碑に刻まれている内容を読むこともできます。自分の地域で過去にどんな災害があったのか、災害伝承碑から調べてみましょう。
【外部リンク】地理院地図 / GSI Maps | 国土地理院 災害伝承碑を表示した地理院地図
また、自然災害伝承碑のある場所と、ハザードマップの危険区域を重ね合わせてみることで、「なぜこの場所が危険なのか」をより深く理解でき、ハザードマップの情報を実感することができます。
【外部リンク】重ねるハザードマップ| 国土地理院 災害伝承碑を表示した「重ねるハザードマップ」
もっとくわしく
【外部リンク】自然災害伝承碑 | 国土地理院 以前災害伝承碑についての解説(中学生以上向け)
【外部リンク】自然災害伝承碑から災害リスクを考えるポイント | 国土地理院 (中学生以上向け)
画像・外部リンク一覧
災害への備え
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防災バッグ

感震ブレーカーの種類
外部リンク
【外部リンク】非常時の持ち出し品・備蓄品チェックリスト|東京都支部の最新トピックス|日本赤十字社 東京都支部 防災バッグの中に入れるもの(中学生以上向け)
【外部リンク】自宅の家具転対策 | 東京消防庁 家具転倒対策の進め方と具体的な対策(中学生以上向け)
【外部リンク】自宅での家具類の転倒・落下・移動防止対策|東京都防災ホームページ 家具転倒の具体的な対策(中学生以上向け)
【外部リンク】【国土交通省】住まいの耐震化 家族を思う、強い家 ~大地震に備える耐震改修~ 家屋の耐震化についての総合サイト(中学生以上向け)
【外部リンク(動画)】「今、備えよう。大規模地震時の電気火災対策」(ダイジェスト編・字幕あり)|消防庁 感震ブレーカーの紹介動画(小学生以上向け)
【外部リンク】災害用伝言ダイヤル(171) | 災害時安否確認サービス | 災害対策 | NTT 災害用伝言ダイヤルの使い方(小学生以上向け)
【外部リンク】災害が起きる前にできること | 首相官邸ホームページ 災害が起こる前のさまざまな備え(小学生以上向け)
地域の災害リスクについて調べる
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石川県白山市の水害ハザードマップ

家をみつける(「ハザードマップポータルサイト」を加工して作成)

災害の危険を確認:この地図では家のある所は洪水の危険あり(「ハザードマップポータルサイト」を加工して作成)

洪水を想定した避難ルートの一例(「ハザードマップポータルサイト」を加工して作成)

洪水を伝える災害伝承碑(石川県白山市)
外部リンク
【外部リンク】ハザードマップポータルサイト|国土交通省
【外部リンク(動画)】さまざまな種類のハザードマップ|国土交通省 ハザードマップの紹介動画(小学生以上向け)
【外部リンク】大分市/ご存じですか?「指定緊急避難場所」と「指定避難所」の違い 避難場所の種類(中学生以上向け)
【外部リンク】避難場所の確認と経路を調べる|地理院地図の使い方 – 国土地理院 地理院地図を使用した避難場所と避難ルートの調べ方(中学生以上向け)
【外部リンク】地理院地図 / GSI Maps | 国土地理院 災害伝承碑を表示した地理院地図
【外部リンク】重ねるハザードマップ| 国土地理院 災害伝承碑を表示した「重ねるハザードマップ」
【外部リンク】自然災害伝承碑 | 国土地理院 以前災害伝承碑についての解説(中学生以上向け)
【外部リンク】自然災害伝承碑から災害リスクを考えるポイント | 国土地理院 (中学生以上向け)